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27.5 PLUS TIRE 太いタイヤの新しいスタンダード

2016年頃から少しずつ、プラスタイヤ(PLUS / +)を装着したマウンテンバイクが発表され、17年モデルでは数多くのメーカーのラインナップに追加されています。
プラス以外にもセミファットなど名称は様々なのですが、「メリット&デメリットは?」など疑問に思うことも多いと思います。
そこで今回は、色々なサイズのホイールと比較しながら説明していきたいと思います。 
まずは左から順に、26x2.3、27.5x2.2、27.5x2.8の順に並べてみました。

様々なホイールサイズ

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「ホイールの内径によってタイヤの外周径が変わる」という事は写真でお分かり頂けると思います。
外周径が小さい26インチMTBは、加速はしやすいですがトップスピードを上げるのは難しくなります。一方、外周径が大きいと一回転で進む距離が多くなる上に段差なども楽に越えることが出来ます。
実際、26インチMTBに乗られている方が27.5インチや29インチのMTBに乗ると、その速さに驚かれることが多いです。スピード域が上がっているMTBのレースでは外周径の大きい29インチが主流になっています。 

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ご参考までに、ロードバイクの700Cは内径は29インチと同じになりますが、ロードバイクのタイヤは細いので外周径は26インチと27.5インチの間位になります。

PLUSとは…。


左が29x2.2インチ、右が27.5x2.8インチです。
27.5PLUSとは、"内径27.5インチで横幅が2.8インチ以上 "のもので、PLUSやセミファットと呼ばれています。タイヤの横幅が太くなると縦の厚みも増えるので、外周径を比べると29X2.2インチのタイヤとほぼ同じサイズになります。

【メリット】
27.5PLUSタイヤのメリットとしては、「29インチよりもリムが一回り小さく軽いため加速が良い」「幅が太いのでグリップ力や安定感が増す」「トップスピードは29インチ並みまで上げることが可能」という点が挙げられます。

ファットバイクと比べると…。

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ファットバイクはタイヤ内径が26インチで横幅が4~5インチのラインナップのモデルです。
横幅が驚くほどのサイズで、外周径は29インチと同等のサイズになります。砂や雪など道を選ばない程走破性は高いですがその反面、重量面や走行抵抗の大きさなどのデメリットもあります。 そのような点からも、PLUSはファットバイクと通常モデルのMTB(26インチ)の中間の良い部分を採用していると言えます。 

タイヤが太いとスピードが遅くなる?
 幅が太くなれば当然地面との抵抗は増えますが、タイヤ全面が地面と接するわけではありません。
ドイツの大手タイヤメーカーであるシュワルベからは「幅が2.2インチタイヤと2.8インチタイヤの走行抵抗の差は僅か1%」という結果が出ています。
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ロードバイクほど速いスピードを出す事は難しいですが、今までのMTBに比べ外周径が大きくなっているので、街中でも十分なスピードがでます。もちろん、
MTBなので本領を発揮するのはやはり山ですが、「街中で段差を気にせずに走りたい」「ロードバイクは雨の日の制動力やパンクのリスクが心配」という方にオススメです。
さらに、タイヤが太いと抜群の安定感がありますので初めての方でも怖さが全くありません。気圧も1気圧以下でも走行可能で、悪路では抜群のグリップ力を発揮出来ます。

FUN RIDE !!

PLUSバイクは重量があるのでレースで使われてはいませんが、SCOTTの選手もオフで楽しむならPLUSバイクが良いと言うほどです。海外でもPLUSバイクは"FUN RIDE"などと呼ばれて、オンロード、オフロード問わず楽しめる規格として急速に広まってきています。見た目もタイヤが太いと迫力があってカッコイイですね。
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◇scott spark 730 plus

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◇charge bikes cooker midi.0

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◇charge bikes cooker midi.2 

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◇KOGA beachracer
元々はMTBで使われていましたがグラベルロードでも採用するメーカーも出てきています。
写真は29erですが17年モデルは27.5plusモデルが発表されます。

ロードバイクもマウンテンバイクも多くはレースモデル(速さを求めるモデル)が中心でしたが、ここ数年は乗り方が多様化してきています。これまでのように速さだけを求めるバイクだけでなく、通勤、旅など幅広い用途で走ることを楽しめるバイクがラインナップされてきています。ロードバイクにおいても42cなど太いタイヤもリリースされています。
PLUSは最初はSCOTT,  Charge bikesなど一部のメーカーのみ採用していましたが、17年はほとんどのメーカーが参入してくるほどです。これはレースをする方ではなく一般ユーザーの方に幅広く受け入れられた結果だと思います。

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