4/22(金)滋賀草津高原ルートが長い冬季閉鎖から解放されました。サイクリストの間では"渋峠"の名で知られる最も高い位置を走る国道です。日本屈指の絶景を誇るその山岳コースに今年も走りに出かけてきました。
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今回はレンタカーを2台を借りて深夜に集合しました。渋峠の登り口は群馬県の草津温泉。車で午前中に着こうと思うと日付変わる頃に出発しなければならず、電車でのアクセスも悪いので関西のサイクリストにはややハードルの高い土地ではあります。
自転車はホイールを外すことなくそのまま積載完了。輪行旅と違って使うかどうかわからない荷物もとりあえず載せておけるのが車載の良いところですね。
夜明けを目指してひたすら高速道路を走らせます。
さて肝心の天気ですが、事前の予報はとても微妙なところでした。直前まで粘ってみてもどうも曇りがちになりそう。しかし、既に行きたい気持ちが高まってしまったメンバーに退路はありません。明るくなった頃に青空が見えることを祈りながら東へ向かいます。
さて、いざ長野のSAへ朝の休憩に立ち寄ってみると辺り一帯は深い霧に包まれていました。あぁこれは…とさすがに不安がよぎります。
しかし、そこは持ってる晴れ男集団です。草津に着く頃にはすっかり青い空になっていました。きっと強い気持ちがあれば予報なんて関係ない…。
たまたま1人でこちらへ走りに来ていた関西の友人と遭遇。世間は狭すぎるなんて話をしながらグループに迎え走り出しました。
町の中心部から2kmほど走れば滋賀草津高原ルート(国道292号)の入り口、天狗山ゲートへ差し掛かります。
"終日通行可能"
活火山である草津白根山。噴火警戒レベルの引き上げによる数年の通行止め期間を知っている方にとってこの表示はとても感慨深いものではないでしょうか。
ゲートを抜けてほんの2,3kmも走れば、大きな雪山が非日常という名前を伴って視界に現れます。
"駐停車厳禁"と書かれた殺生河原エリア。火山由来の硫化水素ガスが常に噴き出し、生命の息吹が感じられない無機質な岩場が広がります。
先ほどまで見えていた緑の景観が嘘のように荒れた岩場。ほんのわずかな間に景色が目まぐるしく変わることもこの道の魅力の1つです。
死のエリアを抜けたあとはもう美しい絶景が続くばかり
ところどころに設置された避難所が今いる場所が活火山であることを思い出させます。
自転車で行ける場所ではそう数の多くない森林限界へ。標高が高くなるにつれ草木は低くなり、反対に雪は高さを増していきます。
この日は暖かく多くのドライバーやバイカーで賑わっていました。
山頂付近の山田峠でまさかの渋滞に遭遇。道の補修工事で片側通行になっているせいでした。
最後の峠を超えればお待ちかねの雪の回廊です。今年は高さ7mと昨年よりも60%ほど高いそう。去年の同じ日に走った写真が残っていたので比べてみましょう。
おぉ、確かに並べてみると去年の方がはっきり低いですね。(↑2021年)
けれど去年は気温が低く空気が澄んでいたので遠くはアルプスの山まで見渡すことができました。
さて、雪壁を抜けた先はとうとう国道最高地点である標高2,172mへ到達。こちらではモニュメントを背景に記念撮影をぜひ
さらにその先には群馬と長野県境に立つちょっと変わった建物、渋峠ホテルがあります。こちらでは飲み物などを購入して休憩できるほか国道最高地点への到達証明書が販売されています。
私は限定のろんぐらいだぁすとーりーずverのものを選びました。他にも数種類の証明書が用意されています。
草津の町から頂上まで、片道ほんの20kmのツーリングですが他ではそう見られない絶景を満喫できるルートです。それほどひどい斜度ではないのでゆっくり登れば初心者でもきっと頂上に辿り着けるはず。いつ、何度来ても心打たれる景色が迎えてくれますが、やはり冬季閉鎖解除直後の早春の景色は格別です。まだ雪の壁が残っているであろうGWの遠征先の候補にいかがでしょうか。もちろん風情ある草津温泉とセットで楽しむのがおすすめです。ぜひ一度は訪れてみてください。