POLYMER WORKSHOP 商品入荷情報

気になる新鋭カーボンコンポーネントメーカー「POLYMER WORKSHOP」

気になる新メーカー「Polymer Workshop(ポリマーワークショップ)」を使用する機会に恵まれたのでご紹介します。

新鋭ブランド「Polymer Workshop」

「Polymer Workshop」はデンマークで新たに誕生したばかりのカーボンの総合コンポーネントブランドです。

現在製品としてラインナップされているのはカーボンホイールの2種のみですが、すでに他ブランドとのコラボで限定フレームを発表していたり、一体型ハンドルの販売も間近なようで意欲的に活動しているのが見て取れる楽しみなブランドです。この記事ではすでに発売されているホイール2種の仕様や走行感などをご紹介していきます。

Enhance

Polymer Workshop 「Enhance」ホイールセット ¥495,000(税込)

まずEnhance(エンハンス)というモデルから。こちらはリムハイトがフロント50mm、リア52mmにリム内幅23mmとトレンドを押さえたロードホイールです。面白いのは前後でリムの外幅(厚み)が違い、直接前面から風を受けるフロントはエアロ効果を狙って幅35mm、一方リアは重量を意識してか幅30.7mmと細くなっています。

取り付けるとこんな感じ。50mmのリムハイトとワイドリムの太さもあり迫力があります。

ハブはセラミックベアリングを採用したオリジナルのもの。ハブにはマグネティックハブシステムという磁力を利用した機構が組み込まれているそう。重量は前後セットで約1,423gとなっており、カーボンスポークを使用したフックレスリムのホイールとしてはやや重めのホイールという印象です。

300kmほど走ってみた感想を列挙してみます

・30km後半から高速域にかけてのスピードの伸びが気持ちいい

・緩斜面(1-3%程度)での速度維持が不思議なくらいに楽

・リムブレーキ時代にあったガチガチのカーボンスポークほど硬さはなく、かといって中華系のものほどたわむ弱さはない。しっかりトルクを受けながら足当たりは柔らかいので踏みやすい印象

・カーボンスポーク&フックレスでありながら1,423gと結構重量があり、漕ぎ出しや急な斜面では重さを感じる

・ラチェット音が独特で気持ちいい

Venture

Polymer Workshop 「Venture」ホイールセット ¥495,000(税込)

もう1つはVenture(ヴェンチャー)というモデルでこちらはリムハイト38mmに重量1,351gとより軽量な仕上がり。リム内幅は25mmとEnhanceよりも2mm広く、オールロード的な運用も出来そうです。

カーボンの仕上げは美しく、精度も良好。複数のメーカーのチューブレスタイヤを脱着しましたがエア漏れはなくフロアポンプでも楽々ビードが上がりました。

ハブはEnhance同様セラミックベアリングにマグネティックハブシステムを採用したオリジナルのもの。採用しているカーボンスポークは振れ取りができ、交換も簡単なので日常的に使用しても付き合いやすいホイールだと思います。

取り付けるとこんな感じ。30Cのタイヤをセットしてちょうどリムの面と連なるようにはまっています。内幅25mmはZIPP FIRECRESTと同じ先進的な規格を採用していて、太いタイヤを許容する汎用性の高さも魅力です。グラベル用として運用するのも面白そう。

分解してみた

独特のラチェット音を発するハブと「マグネティックハブシステム」の構造が気になり、ハブを分解してみました。

キャップ部分はスパナをかけるだけで簡単に外せ、メンテナンス性は良好

キャップを除けばフリーボディは引っ張るだけで抜けます

マグネティックの機構についてはZIPPの旧NSWのようなものを想像していたのですが、それとは全く違っていました。

どうやらこのリングがわずかに磁力を帯びているようです

メディアの記事か何かで「磁力によって空転時の抵抗を抑える」という記述を見かけましたが、構成を見る限りそういった効果は期待できなそうです。むしろラチェットの爪がスプリングで立ち上がるのを磁力でサポートして、よりかかりを良く(早く)するのが狙いのように見受けられます。54Tの歯に6枚の爪のうち3枚ずつがかかるようになっていてしっかりと隙間なく力を伝えてくれます。独特のラチェット音にはこの磁力も影響しているのかもしれません。

まとめ

新興ブランドかつ独自機構がたくさんということで細部まで色々見てみましたが、総合的な印象としては良くできたホイールだと思います。最新の規格を貪欲に取り入れているのでこれから数年は取り残されることなく使っていけますし、性能や精度の面でも非常に高いレベルにまとまっていてメンテナンス性も良好。さらにPolymer Workshopはブランディングが上手く、公式サイトやSNS等も新興ながら確固たる世界観が展開されているので所有欲を満たすという意味でも価格に見合った満足感が得られそうです。高品質かつちょっと人とは違ったものを求める方におすすめしたいホイールです。琴線に触れた方はぜひスタッフまでご相談ください。

カーボンコンポーネントのブランドと言えばアメリカに不動の地位を築くENVEがありますが果たしてPolymer Workshopはどういったメーカーに成長していくのでしょうか。個人的に今後の展開が楽しみです。

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